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専業主婦なのにお金をもらえないのはモラハラ?経済的DVの実態と抜け出し方

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お金をもらえないことを、仕方ないと思っていないか。

働いていないから、稼いでいないから、夫に頭が上がらないから。そういう言葉で自分を納得させながら、毎月の生活費を夫に頭を下げてもらっている。あるいは、もらえない月があっても言い出せないまま、自分の貯金を崩している。

その状況に名前をつけるとしたら、経済的DVという。モラハラの一形態であり、日本の法律においても「配偶者からの暴力」として認識されている行為だ。

この記事は、専業主婦として夫からお金をもらえない、あるいは生活費を極端に制限されている女性に向けて書いている。


目次

経済的DVとは何か——モラハラとの違いと法的な位置づけ

経済的DVとは、パートナーの経済的な自由を意図的に奪い、支配する行為だ。生活費を渡さない、極端に少ない金額しか渡さない、妻の収入や資産を管理・支配する、働くことを禁止するといった形で現れる。

モラハラは精神的な暴力の総称で、言葉による侮辱・無視・支配的な態度などが含まれる。経済的DVはモラハラの一形態として分類されることが多いが、身体的暴力を伴わなくても、配偶者暴力防止法の保護対象になる。

日本では2001年に施行された配偶者暴力防止法が2004年に改正され、身体的暴力に加えて精神的暴力・経済的暴力も同法の対象として明確化された。つまり、夫からお金をもらえない状態は、法的に保護を受けられる暴力の一形態だ。

これを知らないまま我慢している女性が、今も多くいる。


専業主婦がお金をもらえない状況の具体的なパターン

経済的DVは、突然始まることは少ない。徐々に、気づかないうちに進行していくことが多い。

生活費が極端に少ない

食費・日用品・交通費をすべて賄うには明らかに足りない金額しか渡されない。足りない分は自分の貯金から出すが、貯金が尽きると困窮する。夫に追加を求めると怒られる、無視される、「使いすぎだ」と責められる。

月の生活費として適切な金額は世帯の収入や地域によって異なるが、食費・日用品・光熱費・通信費の合計が賄えない金額を渡されている場合、それは生活費の不足ではなく支配だ。

使い道を完全に管理・報告させられる

渡された生活費の使い道を、レシートで全額報告させられる。不審に思われた出費は問い詰められる。自分のものを買うことを禁止される、あるいは夫の許可が必要な状態になっている。

家計を把握することと、妻の行動を監視することは別の話だ。レシートの確認が日常的な管理になっているなら、それはすでに支配の構造に入っている。

夫の収入や家計の実態を教えてもらえない

夫がいくら稼いでいるかを教えてもらえない。通帳を見ることができない。家計の全体像が見えないまま、渡された金額だけで生活している。

これは情報の非対称を意図的に作ることで、妻が独立した判断をできない状態にする支配の形だ。家計を管理することと、妻を情報から遮断することは根本的に違う。

働くことを禁止または妨害される

外で働いて収入を得ることを禁じられている。就職活動をしようとすると怒られる、邪魔される。あるいは、働いても収入をすべて取り上げられる。

専業主婦という選択が、妻の意思によるものではなく夫のコントロールによるものである場合、それは選択ではなく拘束だ。


経済的DVが専業主婦に与えるダメージ——お金以外の影響

お金をもらえない状態が続くことで起きる問題は、金銭的な困窮だけではない。

自己肯定感が削られていく。稼いでいない自分には発言権がない、夫に養ってもらっているから文句を言えない。こういった思考が刷り込まれていくと、自分の感覚への信頼が失われる。おかしいと感じていても、自分がおかしいのかもしれないと思い始める。これは経済的DVが意図する効果の一つだ。

孤立が深まる。お金がないと、友人との外出・家族への連絡・外の世界との接点が物理的に制限される。孤立した状態は、夫への依存をさらに深める。逃げようとしても、お金がないから逃げられないという状態が作られる。

精神的な症状が出ることがある。慢性的なストレス・不安・抑うつ状態。病院に行くお金もない、あるいは夫に許可なく外出できないという状況が重なると、症状が悪化しやすい。

子どもへの影響も見逃せない。親がお金を巡って緊張状態にある家庭で育つことは、子どもの心理的な発達に影響することがある。また、母親が経済的に支配されている状態を見て育った子どもは、同様の関係パターンを学習する可能性がある。


経済的DVから抜け出した人・抜け出せなかった人のその後

抜け出したJKさん(38歳)のケース

結婚後、夫から渡される生活費は月5万円だった。食費・光熱費・日用品をすべてそこから出すよう求められ、足りない分は「使いすぎだ」と責められた。夫の年収は800万円以上あったが、通帳を見ることは許されなかった。

JKさんが動き始めたのは、結婚6年目に配偶者暴力相談支援センターに電話したことがきっかけだった。自分の状況が経済的DVに当たることを初めて知ったのがその電話でだった。「おかしいと思っていたが、専業主婦だから仕方ないと思っていた」と言う。

その後、弁護士に相談し離婚調停を申し立てた。婚姻費用の請求・財産分与・養育費の確保。法的な手続きを経て、現在は子どもとともに新しい生活を送っている。「一人では動けなかった。電話一本が全部を変えた」とJKさんは振り返る。

抜け出せないまま年月が過ぎたLMさん(45歳)のケース

結婚当初から生活費は少なかった。夫から「お前には管理できない」と言われ続け、LMさん自身もそれを信じるようになっていた。子どものためを思って離婚を踏みとどまり続けた15年間で、貯金はゼロになり、友人との関係もほぼ消えた。

50代を前にして、LMさんが感じているのは、もっと早く動けばよかったという後悔だ。「子どものために我慢したつもりが、子どもはその環境を見て育った。あの状況の中でどちらが子どものためになったか、今もわからない」と言う。

現在も同じ家に住んでいるが、関係は形骸化しており、精神的な回復には長い時間がかかっている。


今すぐできる5つの行動——一人で抱え込まないために

1. 自分の状況を記録する

いつ、いくら渡されたか、何を言われたかを記録しておく。日付・金額・言葉の記録は、後から法的な手続きが必要になったときの証拠になる。スマートフォンのメモアプリで十分だが、夫に見られない形で保管することが重要だ。

2. 配偶者暴力相談支援センターに連絡する

各都道府県に設置されており、電話での相談が可能だ。匿名でも相談でき、状況の整理・法的な情報提供・必要に応じたシェルターへの案内まで行ってくれる。「これがDVかどうかわからない」という段階でも相談できる。

3. 法テラスに相談する

収入が一定以下の場合、弁護士費用の立て替え制度が使える。離婚・婚姻費用・財産分与など、法的な手続きに関する相談を、費用の心配なしに始められる。

4. 婚姻費用の請求を知っておく

離婚前であっても、別居中や婚姻継続中でも、生活費として婚姻費用を夫に請求できる権利がある。家庭裁判所への申し立てで認められることが多く、夫の収入に応じた金額が設定される。お金がなくて動けないと感じている人にとって、この制度は重要な選択肢だ。

5. 信頼できる人に話す

家族・友人・支援機関、誰でもいい。一人で抱え込んでいる状態は、判断力を奪う。話すことで状況が整理され、自分の感覚を取り戻せることがある。話す相手がいないと感じるなら、支援機関への電話が最初の一歩になる。


お金をもらえない状況は、あなたが我慢すべき問題じゃない

専業主婦だから、稼いでいないから、養ってもらっているから。そういう言葉で自分を納得させてきたかもしれない。

でもはっきり言う。婚姻中の生活費を負担する義務は、法律上夫にある。専業主婦という選択は、夫婦の合意のもとで成り立っているものであり、稼いでいないことが支配される理由にはならない。

お金をもらえない状態が続いていることは、あなたの問題でも、あなたの我慢が足りないことでもない。それは夫が義務を果たしていないことと、その状況を利用してあなたを支配していることの問題だ。

自分の感覚を信じてほしい。おかしいと感じているなら、おかしいのだ。その感覚が正しいと確認するために、一本の電話から始めていい。動くために完璧な準備は必要ない。

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