年収700万の男性と結婚したい。
その希望を口にすると、夢見すぎと言われることがある。でも夢かどうかは、数字を正確に知ってから判断するべきだ。感覚で夢と決めつけるのも、感覚で現実的と思い込むのも、どちらも判断として甘い。
この記事は、結婚相手の年収に700万という基準を持っている女性、あるいはその数字が高すぎるのかどうかを確認したい女性に向けて書いている。
年収700万の男性は日本にどのくらいいるのか
国税庁の令和5年分民間給与実態統計調査によると、給与所得者全体のうち年収700万円以上の割合は約12%だ。男性に絞ると約18%前後になる。
ただしこれは全年齢・全職種の平均だ。年齢別に見ると、20代で年収700万円以上の男性は全体の2〜3%程度と極めて少なく、30代でも10%前後にとどまる。40代以降になると割合が上がるが、40代の男性に結婚を求める場合、すでに既婚者が多いという現実がある。
婚活市場で出会える独身男性に絞れば、さらに割合は下がる。高収入男性の多くは職場や既存のコミュニティで結婚相手を見つける傾向があり、婚活サービスに登録している700万円以上の独身男性は全体から見てごく一部になる。
夢かどうかという問いへの答えは、不可能ではないが、出会える確率は低いというものだ。探す場所と方法を工夫しなければ、出会い自体が難しい層だということは知っておく必要がある。
700万を求める女性が実際に直面する3つの現実
現実1 700万の男性には選択肢が多い
年収700万円以上の男性は、婚活市場で最も需要が高い層でもある。選ぶ側でもある。高収入であることに加えて、外見・性格・生活水準・価値観まで求める条件が多ければ多いほど、こちらが選ばれる確率が下がる。
年収を求めるなら、自分も何かを持っている必要がある。外見・会話力・生活水準・教養・自立心。高収入の男性が結婚相手に何を求めているかを正直に見て、自分がそれを持っているかどうかを確認することが先になる。
現実2 700万でも生活水準は思ったほど高くない
年収700万円の手取りは、おおよそ月43〜47万円程度だ。東京で住宅ローンを払い、子どもを育て、老後の準備をすると、余裕のある生活かどうかは居住地と生活スタイルによって大きく変わる。
妻が専業主婦を希望する場合、700万円一本で家族3〜4人が東京都内で余裕を持って暮らすことは、数字として見ると決して楽ではない。700万円という年収は、それ単体でリッチな生活を保証するわけではない。
現実3 年収が高い男性との結婚には別の負荷がある
仕事量・責任・出張・接待。高収入の男性は多くの場合、それに見合った労働と時間的拘束を抱えている。夫が高収入でも、家にいる時間が少ない、育児への参加が難しい、精神的に疲弊して帰ってくる、という状況になることがある。
お金の余裕と生活の余裕は、別の話だ。年収が高い男性と結婚した女性が、思ったより孤独だという感覚を持つケースは少なくない。
実録:700万にこだわった女性・こだわりをやめた女性のその後
こだわり続けて35歳になったNさんのケース
28歳から婚活を始め、一貫して年収700万円以上を条件にしていた。マッチングアプリでも結婚相談所でも、条件でフィルタリングをかけていた。
出会いはあった。でも700万円以上の男性は比較されることへの慣れがあり、条件をクリアしていない女性とは真剣に向き合わない場面が多かった。何人かと会ったが、関係が深まる前に終わるケースが続いた。
35歳になった今、条件を500万円に下げた。最初に会った男性は話が合い、一緒にいて楽しいと感じた。年収は520万円だが、今の方が婚活が楽しいとNさんは言う。700万にこだわっていた7年間を取り戻すことはできないが、数字への固執が何を見えなくさせていたかを初めて感じている。
条件を変えて半年で結婚を決めたOさんのケース
結婚相談所で2年間、年収700万円以上という条件で活動していた。会った男性は合計40人以上。でも成婚にはつながらなかった。
担当カウンセラーから、条件を変えてみませんか、と言われたとき、最初は抵抗があった。妥協するみたいで嫌だった、と言う。でも試しに600万円以上に変えてみると、紹介される相手の幅が広がり、半年後に結婚を決めた男性と出会った。彼の年収は620万円で、今の生活に不満はないとOさんは話す。
100万円の差が、自分に合う人に出会える確率をこれだけ変えると知らなかった、という言葉が印象的だった。
700万の男性と結婚して見えてきたことのあるPさんのケース
29歳で年収780万円の男性と結婚した。外から見れば理想通りの相手だった。でも結婚後に見えてきたのは、夫の仕事優先の生活と、家庭への関与の薄さだった。育児はほぼPさん一人で担い、夫は出張と接待が多く、一週間会わないことも珍しくなかった。
お金の不自由はないが、孤独だ、という感覚が出てきたのは結婚2年目からだ。高収入の夫を持つことと、幸せな結婚生活は、完全に別の話だったと気づいた。
年収じゃなくて、一緒にいてくれる人かどうかを最初に確認すべきだった、とPさんは言う。
年収700万という基準を持つことの意味と落とし穴
年収に基準を持つこと自体は、現実的な判断だ。生活水準・子育てのコスト・老後の準備。これらを考えると、相手の経済力は無視できない要素だ。
ただし700万という数字が一人歩きしているとき、その数字が本当に自分の望む生活を保証するかどうかを確認せずに使っていることが多い。700万あれば安心という感覚は、東京か地方か、子ども何人か、妻が働くかどうかによって大きく変わる。
700万円という基準が何を根拠にしているかを、一度だけ正直に問い直してほしい。その数字が、具体的な生活設計から来ているなら、根拠のある基準だ。周囲との比較や、なんとなく安心そうという感覚から来ているなら、数字より先に見るべきことがある。
数字より先に確認すべき、お金に関する本質的な問い
年収という数字より、長く一緒に生活する上で機能するかどうかを決める要素がある。
お金の話を一緒にできるか。将来の生活費・子育て費用・老後の準備について、正面から話し合える相手かどうかが、数字より関係の安定に直結する。700万円あっても、お金の話ができない関係は必ずどこかで詰まる。
今の収入より、これからどうなるかの見通しがあるか。30代前半で500万円でも、成長業界で昇給の見込みがある人と、40代で700万円でも昇給がない環境にいる人では、10年後の状況が逆転することがある。スナップショットより、軌跡で見る方が正確だ。
お金の使い方の価値観が近いか。年収が高くても使い切る習慣があれば貯まらない。年収が低くても堅実に管理できれば資産は育つ。数字より、お金への姿勢が似ているかどうかの方が、生活の中での摩擦を左右するよ。
